鉄筋加工はアートである

几帳面に爪を切り揃えた指が、鉄筋の肌を流れるように動く。
加工機にセットされた鉄筋の、節模様、アール、ツメ、そして次のセットの鉄筋ヘと。
指の動きに応じて変幻自在に形を変える鉄筋は、まるでアートのようだ。
そして完成した加工品は、美しい形を表現する。さながら工事現場に咲き乱れる花のように。
指の主は、三豊鋼業株式会社の加工担当者。
アートを生み出すその手を見せて欲しいと言うと「機械油で汚れてますよ」と彼は笑う。
しかし軍手に包まれたその指こそが、三豊鋼業特有の正確な鉄筋加工を生み出す秘密なのだ。

現場ごとに様々な形状と数量が求められる鉄筋加工。
彼はその一本一本に指を這わせる。
彼の指が同じ動きを繰り返す。立ち上がり鉄筋を加工しているらしい。
時おり、加工した鉄筋を背中同士で合わせてみる。隙間なくぴったりと合う。
正確に直角が出ている証拠だ。
だが、彼の手に金さしはない。
経験という精密機器だけがある。
メーカーにもよるが、鉄筋は製造されたロットにより品質が若干変わる。
だから、例えば違うロットの鉄筋を同じ設定で加工しても、曲げ角度がわずかに変わる。
そのわずかな変化を彼は許さない。

1mにつき1cmのばらつきは、10m先では10cmのズレを意味するのである。
「現場で、人の力で若干の修正はできます。だけど…」
現場で組みやすい「正確性」が求められる鉄筋加工。
形状だけではなく、その現場状況までも知り尽くした彼の指は、
長年積み上げられた三豊鋼業の徹底した現場主義を継承している。

加工・寸法切りは、加工帳によるご注文となります。
加工の形状や数量により、
2~3日かかる場合があります。
事前に打ち合わせをお願いします。

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